木の文化を育んできたニッポン
植林と木材に関する日本最古の記録は「日本書紀」にあります。そこには40種類以上もの樹木が記録されています。スサノオノミコトが「スギとクスノキは舟に、ヒノキは宮殿に、マキは棺に使いなさい。そのためには、たくさんの木の種をみんなで播こう。」と教えたそうです。
我が国では、縄文時代、弥生時代から、現代に至るまで、木はさまざまなかたちで生活に関わってきました。生活の基盤となる住宅をはじめ、食器、農具などの生活道具、工芸品、燃料など、それぞれの時代の生活様式や生活文化を代表するものの多くが木製でした。
現代は、鉄やコンクリート、プラスチック、セラミックスなど、さまざまな素材が使われる時代ですが、木材は、今なお、建築・土木をはじめ、紙、家具などの用途で使われています。
我が国では古くから適材適所に木材を積極的に利用する「木の文化」を育んできたのです。
〔関連ページ〕
木材の用途|木材を使った建造物|
縄文時代の木材利用
日本各地から掘り出される遺跡を調べると、当時の人々は木の種類や性質を使い分けて、上手に利用していたことが分かっています。
| 出土品 |
使われた樹種 |
| 木を切り倒す石斧 |
固い「ヤブツバキ」 |
| 狩りに使う弓 |
固くてしなる「カシ」 |
| 木の器 |
削りやすい「トチノキ」 |
住居 |
「カシ」「ヒノキ」「クリ」「シイ」など |
■東大寺大仏殿(世界最大級の木造建築物)
世界文化遺産に登録されている東大寺の大仏殿は、高さ47.5m、広さは約2,900m2もある世界最大級の木造建築物です。 直径約1m、長さ約30mの丸太を84本も使っています。使われている木材の総量で比較すると、現代の木造住宅の約860戸分に相当します。
■法隆寺(世界最古の木造建築物)
世界最古の木造建築物の法隆寺は、ヒノキで建てられており、1300年経った今も維持されています。鉄やコンクリートにはこれほどの耐久性はなく、せいぜい100年程度と言われています。全国各地の寺院の修理・改築を行っている宮大工さんは「1300年経ってもヒノキを削ればよい香りがするし、使うこともできる。」と言います。木は伐られたときに第一の生命を経つことになりますが、建物に使われたときから、第二の生命が宿り、何百年もの長い歳月を生き続ける力を持っているのです。
〔関連ページ〕
檜・桧(ひのき)
〔参考・出典・引用〕
財団法人日本木材総合情報センター 全国木材協同組合連合会「人と環境にやさしい木のはなし」 |