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日本全国の杉(スギ)一覧と検索

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日本の杉 36件 すべてを表示

 

杉(スギ) 産地 特徴・特記事項など

秋田杉

秋田県の県北,特に米代川流域一帯。江戸時代の佐竹藩の遺産。

秋田杉といえばかつては天然秋田杉のみを指していたが、最近では、人の手をかけて育てた杉を「秋田杉」、自然に育った杉を「天然秋田杉」と呼んで区別している。
「秋田杉」は間伐など人が手をかけて育てるので成長が早く、年輪の幅も広い。一方「天然秋田杉」は、自然のまま育つので成長が比較的ゆるやかではあるが、年輪幅が狭く揃う。100年を過ぎた高齢級のものでも持続的に成長するため、大径、通直で伸びがあり、美しいつや・均一な木目をもつとともに強度に優れ、狂いが少ないことも特徴。大径木は太い梁や柱に利用でき、天井板などにも珍重される。なお、天然秋田杉の標準的な樹齢は200〜250年と言われている。

栗駒杉

宮城県北部の栗駒(くりこま)山麓

栗駒(くりこま)杉の特徴は、燻煙(くんえん)乾燥。製材工程で出る「木端」や「廃材」「木の皮」などを燃料として利用し、その時に発生する「熱」と「煙」により木材を乾燥させている。約80℃の温度で1〜2週間程度乾燥させることにより、ひずみを減少させ、強度を高める。煙で燻す(いぶす)ことにより、自然の防虫処理にもなるため、防腐・防虫・防カビ作用が高く、害虫(ダニ・シロアリ等)を寄せ付けにくい材となる。

西山杉

山形県西村山郡一帯
(大江町七軒地区を中心に西川町間沢,朝日町一ッ沢へと伸びた区域/奥羽山系の出羽丘陵)

光沢があり、赤味の色彩が鮮明。特に高林齢の材は一段と色が冴えてくる。住宅の構造材、内装材などに使用。

金山杉

山形県最上郡金山町一帯

樹齢80年を越えたものが金山杉といわれている。雪深く、長い冬の気候の中で育つため、生長が遅く均一に成長する。木目が非常に細かく、木肌が赤みをおびていることが特徴。樹齢100年を超える人工林(伐採を目的として植林された林)の蓄積量として世界一を誇る。また、金山町有屋大美輪の大スギの樹高は59mで日本一。

気仙杉

岩手県気仙郡・下閉伊郡南部地方

年輪幅が広く素直な材質。もともと電柱材として用いられることが多かったが、現在は柱材・端柄材として使われることが多い。軽くて軟らかいため、加工性がよい。また木目がよく通っており、特有の芳香もある。

日光杉

栃木県日光市の日光山内および日光市・今市市・鹿沼市周辺。
約350年前,松平正綱が30年を費やして街道並木として杉苗を植栽した。

柾目材として年輪が細かく、薄桃色をしている。通直、完満な材が多く、建築用材としては角材に7割、板材に3割使用される。良質なものは建具材、根曲がり部は下駄材に利用される。なお、日光杉並木街道は、樹齢350年ほどで直径2mに達する巨木が見ることができる。特別史跡・特別天然記念物の二重指定を受けている貴重な文化遺産。

八溝杉

栃木県東部黒羽町周辺から,茨城県大子町・里美村にかけての八溝山系一帯。
黒羽町では,江戸時代から森林の保護育成が行われ,明治末期に急速に造林がすすんだ。

建築用材がおもな用途だが、小径木は土木用資材などに使われる。一般に、黒芯材(丸太の心材部分が黒い材)や偏芯材(年輪の中心が丸太の中心からずれているような材)が少なく、根曲がりが少なく、年輪幅が一定で、木目は美しいといわれている。木質・年輪幅・節などは中の上との評価されている。

西川杉

埼玉県飯能市周辺

飯能市周辺は針葉樹植林の歴史が古くからあり、大消費地に近いこともあり、高度成長期に生育の良い杉の生産が拡大した。扱いやすく、建築材・建具材として使用されている。

山武杉

千葉県東部山武地方

生長が早いため、材は通直・完満となる。芯材は淡紅色をしている。現在は、建具・板材・柱材に利用。花粉をほとんどつけないため、花粉症対策品種になっている。

青梅杉

青梅市近辺奥多摩一帯

青梅林業地は古くから足場丸太の産地として有名だった。また、江戸の庶民住宅の建築用材として盛んに使われてきた。また粘り気のある材で、現在はおもに柱材として使用されている。

天竜杉

静岡県天竜市,磐田郡水窪(みさくぼ)町・佐久間町・龍山(たつやま)村,周智郡春野町

天竜の林は日本三大人工美林のひとつ。天竜川流域の気候が温暖で雪害がない恵まれた自然環境の中で育まれるため、根曲がりが少なく通直。節部の入り皮も少なく良質の杉が産出される。特に心材の耐久性が高く、耐水性も高い。材鑑は淡い赤色で、艶の良さを持ち、表面塗装などの処理無しでも光沢を放つ。

三河杉

愛知県東方の三河地方,愛知県南設楽郡・北設楽郡・新城市・東加茂郡・額田郡

温暖な気候と豊かな土壌(肥沃土)に恵まれた地域で通直・完満な材が育まれる。また、中緯度の地理的条件により冬日・夏日のはっきりした年輪となる。光沢のある赤味と美しい木目で、鴨居や天井板などの高級材として利用される。特に、鳳来町は昔から良質の杉が生産されており、日光東照宮の造営と江戸城の修復に、鳳来寺山中の杉が用材として選ばれている。良材の形質を備えた親木(いわゆる「精鋭樹」)から挿し木され続け、その木質がそのまま受け継がれてきている。材鑑としては、辺材は白色、心材は淡紅色〜暗赤褐色で木理が通直。心材は非常に耐水性・耐久性が高いなどの特徴がある。用途としては、天井板の他、構造材、造作材、建具、床板、野地板などに使われる。

長良杉

岐阜県都上郡および武儀(むぎ)郡長良川流域

岐阜県内のスギ資源が長良川流域に多いことから、「長良杉」という名称がつけられた。目が均等で冬日が太いため、仕上がり後の表情が豊かだとされる。構造材(柱・梁・桁など)、内装材(壁・床・天井など)、外装材として幅広く利用される。

根羽杉・遠山杉

長野県下伊那郡根羽村・南信濃村

赤身の光沢がきれいで、油分が多く木に粘りがある。

立山杉

富山県東部地域

年輪幅は小さく、材はかたい。木目が細かくはっきりしている。富山県西部で産するポカ杉などとともに「とやまスギ」といわれる。

足羽杉・河和田杉

福井県美山町・鯖江市など

材質が赤身で柾目が美しい。大径材生産で芯却材(柱・桁用)と内装材に使われる。現在は広く、福井材といわれることが多い。

谷口杉

滋賀県浅井町谷口

田根(たね)杉とも呼ばれる。択伐施業がおこなわれてきた。生長がよく、材はやわらかく淡い赤色。

北山杉

京都市北区中川地区を中心とした北山地方(隣接する京北町以北で生産されるものは丹波材として区別される)

北山杉の磨丸太は基本的に同大の円直材であり、磨かれた木肌に独特の光沢がある。無節で年輪が密なため、材が強靭。数寄屋建築に必ずといって良いほど使われている。シロスギと呼ばれる品種で生長が遅く、心材部に割れが入りやすい。

宇治田原杉

京都市の南方,宇治田原町一帯

宇治田原町は町域の約7割が山林で、そのうち5割以上が杉・檜の人工林である。宇治田原の杉は生長が良く、高齢木外周の年輪も円形に近い。

春日杉

奈良市東方,春日大社境内および春日山一帯に植林された枯損老大木の杉

法規制により、風倒木や枯木しか利用できないため稀少価値が高い。心材はやや桃色を帯びた赤色で、時間の経過とともに茶褐色に変色し渋い味わいを醸し出す。柾目がはっきりとあらわれ、樹脂成分を多く含んでいるため美しい光沢をもつ。春日杉の「笹杢」は天井板や落とし掛けなどに用いられる。強度はやや劣る。

吉野杉

奈良県吉野郡の吉野川上流。吉野林業地帯(川上村,東吉野村,黒滝村)を中心とする一帯。

日本三大人工美林の1つ。最高級のブランド材として有名。江戸時代から昭和初期にかけては酒樽・樽丸の生産を目的としため、植栽本数は1ha当たり8000〜10000本という超密植。その後、弱度の間伐を数多く繰り返し、長伐期施業で行われてきた。よく手入れされ完満通直な材となる。冬目が硬く、油分がある。銘木としては、時間を経ると美しい飴色になる。天井板などに用いられるが、磨丸太としても有名。構造材としての使用が多く、長い幹で節が少なく、年輪幅が狭く、強度が高いとされる。

御山杉

三重県伊勢市の内宮・外宮および滝原宮の「神域」

赤みを帯び、杢目が細かく、美しい笹杢がみられる。

河内杉

大阪府河内地方

吉野材の影響を受け発展。吉野同様、密植で木目が細かい。柱材として多用されてきた。良質のものは吉野材として市場に出る。

若桜杉

鳥取県東部の若桜(わかさ)町一帯

緻密で油分が少なく、秋田杉に似た性質がある。

智頭杉

鳥取県東南部の智頭町一帯

心材が濃い赤色で、粘り強く、年輪は一定幅だが、やや柔らかい。

木頭杉

徳島県西南部の那賀郡・海部郡。

奈良・平安時代から都で使用されてきた。強度性能に優れており、厚板・割柱・内装材として使用される。

魚梁瀬杉

高知県東部の馬路村・東洋町を中心とした一帯。土佐杉ともいわれる。

材の色彩が豊富で、多種多様な杢目が見られ、樹脂分が多く、時を経ると光沢を放つ。昔からそれらの美しさが評価され、薄くスライスして天井板に使われたり、内装材としても利用されている。近年では、この天然木が出荷されなくなり、希少価値が高まっている。現在では先人が森林組合などに残したものがわずかに残っており、特注品として人気がある。また、天然木の器やお盆などの工芸品なども作られている。

久万杉

愛媛県中部(仁淀川流域の久万高原町と肱川上流の小田町の一部を合わせた林業地域)

愛媛県中部に位置する久万林業地は豊かな土壌(褐色森林土)と冷涼多雨の気候で材木の生育に適している。久万林業の先駆者と評されている井部栄範(いべよしのり)による積極的な植林事業と戦後の積極的な造林により愛媛を代表する林業地(現在の人工林率は約9割)となった。久万杉はおもに40〜60年生のもので、比較的軽く軟らかく加工が容易。建築用材として十分な強度があり、床柱・床材・集成材(集成桁・梁、柱)などとして使われる。材鑑としては、木質が細かく挽肌のツヤがよい、木目が緻密で樹心部と辺材部で木目の開きが少ないなどの特徴ある。

八女杉

福岡県八女郡一円

建築材では心材に赤身が多く、艶があり、磨丸太材では通直で真円性に優れている。

日田杉

大分県日田市を中心とした一帯

直材であるため、古くから造成材として利用されてきた。材質は比較的硬く強度もあり、建築用材としての要求が近年は高い。

市房杉

熊本県水上村の市房神社の神社林およびその周辺一帯

年輪は緻密で細かい褶曲状。笹杢が見られることが多い。

小国杉

熊本県阿蘇郡中国地方

1750年代から藩命により、各戸25本の杉穂のじか差しをしたことに由来する。適地適品種を考慮し、造林者自ら養成した良質な親木の性質がそのまま伝わる挿し木苗の植林方法をとっている。また、ヘクタール当たり2000本〜3000本のやや疎植造林を行っていることも小国林業の特徴。強靭な材で台風などの災害にも強く、折れにくいことが知られている。「ヤブクグリ」と呼ばれる品種が最も多く60%、ついで「アヤスギ」と呼ばれる品種が30%を占めている。「ヤブクグリ」は幼令期の間は根曲がりの傾向があるが、さし木が容易で成長も早く、材質も優れている。材はやや桃白色で粘りがあり、柱、板材、建具材等に使われる。アヤスギは、比較的やせ地の乾燥地でもよく成長し、成長は中位であるが、心材は淡紅色で材質は優れており、構造用材など建築材として広く利用されている。

霧島杉

鹿児島県霧島町の霧島神宮の神宮林。また,広くは,狭野杉をはじめ七する霧島山系全体や,南九州全体に産するものを総称することもある。

ほとんどが社木となっており、風倒木や枯木しか利用できず、稀少価値が高い。心材の色は黄色がかった淡紅色で、早材部が白く、緻密な肌目が特徴。大径木は年輪が褶曲状で、繊細で優雅な「笹杢」(笹の葉を散らしたような杢目)を見せ、天井板や床材として評価が高い。

飫肥杉

宮崎県日南市を中心とした飫肥地方一帯

樹脂が多く、吸水性が少なく、曲げに強いなどの性質から造船材(弁甲材)として利用されてきた。国内はもとよりアジアの国々(特に韓国)にも大量に出荷されていた。

屋久杉

鹿児島県屋久島(屋久町・上屋久町)

年輪が緻密で、変化に富んだ木目模様が見られる。心材は黒色味が強い。樹脂分を多く含むため、独特の芳香を放ち、腐りにくい。一方、ひび割れや中が空洞であることも多い。

越後杉ブランド

新潟県内で生産されたスギ材のうち,含有率・強度・寸法など,県が定めた厳しい基準の認証規定をクリアした高性能・高品質の建材。

越後杉は雪国というきびしい環境で育つため、吉野杉に比べると成長速度は2/3と遅いが、それだけ年輪が詰み、強くたくましい木に育つ。ねばり強さとしなやかさがあることが特徴。
また、山の斜面に植えた杉は、根元が重い雪に引っ張られて湾曲し、いわゆる「根曲がり」となる。「根曲がり」は重い雪の負荷に耐えて成長したたしるしであり、木の中でも特に丈夫な部位であるため、ベンチなどに利用される。

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日本の原点シリーズ 木の文化「杉」 (新建新聞社)などを参考に編集