生産者 - すべての動物の食糧を賄う「植物」

 
TopPage | ご利用の手引き | 森林・林業用語検索 | 木製品紹介 | リンクについて | お友達に紹介 | お気に入り登録

トップページ  →  森林生態系  →  すべての動物の食糧を賄う生産者

 

すべての動物の食糧を賄う生産者

何も食べなくても成長できる植物

すべての動物は食物を探し求め、動きまわっています。自らの食物だけでなく、子に与える食物を探し、あちこち動きまわります。これは、動物が生命を維持し成長していくためには、食物が必要だからです。

ところが、草花は樹木などの植物は何も食べなくても生きることができ、しかも、成長します。

※食虫植物などはここでは例外とします。

植物は、何も食べなくても生きていけるし、成長できる

植物は、何も食べなくても生きていけるし、成長できる


動植物のエネルギー源「ブドウ糖」

何かが動くためには、エネルギー源が必要です。身近な携帯電話やパソコン、車やバイクなど動くものはすべて、電力や燃料などのエネルギーを必要とします。

そして、携帯電話はバッテリーがなくなれば機能しなくなり、車はガソリンがなくなれば、動かなくなります。エネルギー源がなくなると動かなくなります。動かなくなったものを再び動くようにするためには、バッテリーを充電したり、ガソリンを補給したり、エネルギー補給が必要になります。

私たち人間をはじめ、動植物は動きまわったり、成長したりします。そのエネルギー源は何でしょうか。電力やガソリンではありません。「ブドウ糖」と呼ばれる物質です。私たちは摂食することにより、ブドウ糖を外から取り入れているのです。食べることは、いわば「エネルギー補給」です。

ところで、植物は何も食べません。ブドウ糖を自らの体内でつくっているからです。植物は光合成により、光と空気と水から自らのエネルギー源となるブドウ糖を作っているのです。そのため、植物は他の動物と違って、食べなくても、生きることができますし、成長することもできるのです。

しかし、人間や動物は、植物と違って、ブドウ糖を作ることができません。そのため、植物等を食べて、ブドウ糖を得る必要なあるのです。つまり、植物が光合成によって作ったブドウ糖を食物として取り入れて、そこから活動のエネルギーを得ているのです。

草食動物は、植物を食べることによりブドウ糖を得ている

草食動物は、植物を食べることによりブドウ糖を得ている

※植物は、光合成により、水と二酸化炭素からブドウ糖をつくるとき、光のエネルギーを吸収します。その結果、ブドウ糖の中に、光のエネルギーが取り込まれ、蓄えられます。


ブドウ糖はデンプンに含まれている

植物は葉っぱで光合成を行い、ブドウ糖を作り、デンプンを作ります。つまり、デンプンは、ブドウ糖が結合して並んだ物質です。

デンプンは、コメやムギ、トウモロコシなどの主な成分です。ジャガイモやサツマイモなどにも、多くのデンプンが含まれています。つまり、私たちは、食物を通じてデンプンを摂取し、そこからブドウ糖を取り出し、エネルギー源として使っているのです。

私たちは摂取したデンプンは、消化されます。つまり、ブドウ糖が連なってできているデンプンを切って、ブドウ糖を取り出すのです。

そして、体の中で取り出したブドウ糖を分解します。ブドウ糖が分解されるとき、ブドウ糖の中に蓄えられていたエネルギーが放出されます。そのエネルギーはすぐに使われることもありますが、からだの中に蓄えられることもあります。

ブドウ糖から得られたエネルギーは、私たちが歩いたり走ったり、活動するためのエネルギーに使われます。また、成長したり、からだを維持したりするための物質をつくることにも使われます。

ブドウ糖に蓄えていたすべてのエネルギーが取り出されてしまうと、水と二酸化炭素にもどって、からだから出て行きます。

※私たちが病気などで、食欲がなくなって、病院に行くと、点滴注射を受けることがあります。その点滴の本体は「ブドウ糖(グルコース)」です。


植物が肉を食べなくてもよい理由

ところで、私たちが健康に生きて、成長していくためには、ブドウ糖(デンプン)だけでは、足りません。タンパク質や脂肪やビタミンなどが必要です。そのために、私たちは肉や果物や野菜を食べます。

私たちはウシやブタやニワトリ、魚などの肉を食べます、タンパク質を摂取するためです。ただし、私たちが必要なのは、他の動物や魚のタンパク質ではなく、タンパク質の材料となっている「アミノ酸」です。私たち人間は体内でアミノ酸をつくることができないからです。

タンパク質はアミノ酸が連なってできています。私たちの体内では、取り入れたタンパク質からアミノ酸を取り出し、そのアミノ酸を再構成して自分に必要なタンパク質につくり変えています。

ところが、植物は自分に必要なアミノ酸を自分でつくることができます。根によって、地中の養分として窒素を取り込んで、肉の成分と同じアミノ酸をつくり出すことができるのです。そのため、植物は、肉を食べる必要がないのです。

私たちが植物を栽培するとき、窒素肥料として硝酸カリウムや硝酸アンモニウムなどを土に与えます。植物たちは、それらを吸収してアミノ酸をつくり、自分に必要なタンパク質をつくります。

さらに、植物は、健康に生きて、成長していくために必要な脂肪やビタミンなどもつくり出すことができます。そのため、何も食べずにすくすく成長することができるのです。


すべての動物の食糧を賄う植物

このように、植物は生物として生きて、成長するために必要な物質(ブドウ糖やデンプン、タンパク質、脂肪、ビタミンなど)を自分でつくり出すことができます。植物は動物がいなくても、生きていけるかも知れません。しかし、動物は植物がないと生きていけません。

食物連鎖の関係をたどっていくと、植物は、地球上のすべての動物の食糧を賄っていることがわかります。

食物連鎖の頂点に立つ私たち人間は、食糧を植物や動物に依存しています。ウシやブタやニワトリなどの動物は、植物たちのからだである葉や茎、根や実などを食べています。「肉食動物」といわれるライオンやチーターは、シマウマなどの「草食動物」の肉を食べて生きています。草食動物は、植物を食べて生きています。

食物連鎖の形態は、数多くありますが、もとをたどれば、植物に行きつきます。結局、すべての動物は、植物のからだを食べて生きていると言えます。

このように、植物は、すべての動物の食糧をつくりだしている「生産者」なのです。


〔参考・引用〕
中公新書「植物はすごい(田中修 著)」/wikipedia