ヒガラ シジュウカラ科

ヒガラは日本に棲むシジュウカラの仲間のなかで、一番小さな野鳥(全長約11cm)です。屋久島以北から北海道までの平地から山地に広く分布しており、夏には亜高山帯の針葉樹林に多く見られます。冬には低地に移動するものもあり都市の公園などでも見掛けることがあります。細い枝先や葉先で活発に動き回り、果実や草木の種子、昆虫や昆虫の卵を探して捕食する雑食性です。

同じ仲間のヤマガラの半分ほどの大きさですが、あまり人を怖がらないことや、頭の冠羽が特徴で、小さいのに存在感があります。また、雌雄同色で、頬が白いことと喉にはよだれ掛けを想起させるような三角形の黒い模様があります。

シジュウカラの仲間は略称で「カラ類」と呼ばれます。「ツピン ツピン・・・」、「チペ チペ チペ・・・」と高い声で、さえずります。日本では体の大きい順にヤマガラ・シジュウカラ・ハシブトガラ・コガラ・ヒガラの5種類が知られており、共に似通ったさえずりや鳴き声をしていますが、大きさの順に声が高くなることが識別のポイントとなります。それぞれに羽色や模様に異なった特徴もあり、彼らを探すことにより、野鳥観察での識別の楽しみが気軽に味わえます。

雪の森では、キツツキの仲問のコガラをリーダーに、カラ類が混ざり合って共同で餌探しをする姿(混群)が見られることがあります。これは、冬を生き抜く小鳥の知恵として知られており、異なった小鳥たちが力を合わせることによって、食べ物を探したり外敵から身を守ることが容易になるといわれています。ちなみに、冬に野烏を呼ぶための「餌台」には、ほとんどのカラ類がヒマワリの種子に集まりますが、ヒガラは主に肉の脂身に集まります。それだけ動物食(昆虫食)が強いようです。樹洞に巣をつくるので、人の架けた巣箱にもよく入ります。


〔出典・参考文献等〕
林野弘済会「林野時報」/サントリーの愛鳥活動/wikipedia

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