緑ゆたかに見える地球の森林も、違法な森林伐採や宅地などの市街地開発などを原因として、多くの国々で森林の荒廃、減少が進行しています。
2000年~2010年に世界で減少した森林面積は年平均で約521万haです。数字だけでは想像がつかない面積ですが、計算すると、1分間につき東京ドーム約2個分、1時間では約127個分に相当する森林面積が減少していることになります。
森林減少の原因は、農地への転用、過剰な伐採、違法伐採、森林火災など。南米、アジア、アフリカなどの熱帯林の減少が目立っています。
1990年から2000年までは、ヨーロッパ以外の全ての地域で森林が減少していましたが、2000年以降のヨーロッパや中国などは、大規模な植林などのにより増加しています。また、アフリカ地域では減少傾向が若干ゆるやかになりました。
一方、南アメリカ、東南アジアなどの熱帯林などでは、森林の減少率に高い傾向が続いています。
世界の森林面積の増減には、地域的な偏りが見られます。
森林面積の増加が目立つ国は中国です。他の国と比べて一カ国が抜き出ています、中国は砂漠化、洪水、土砂崩れ、渇水の頻発などの森林の持つ公益的機能の低下を背景に急速な緑化を進めています。
データ出所:FAO 「Global Forest Resources Assessment 2010」
森林の減少は、開発途上地域における森林の農地への転換、過剰な伐採や違法伐採、森林火災等によるものです。
これらの背景には当事国において様々な社会的・経済的問題が絡んでいるため、当事国のみでの解決は困難です。
国際社会が協力して森林の整備・保全を進めるなどの必要があります。
〔参考文献・出典〕
環境省HP /FAO「Global Forest Resources Assessment 2010」/
環境省地球環境局「世界の森林を守るために」