カーボンニュートラルとは
炭素と二酸化炭素は、その名を見ても密接な関係にあります。 炭素は化学式ではC、二酸化炭素はCO2(Oは酸素)。
つまり、炭素が酸素2つと手を結んだとき(結合したとき)に二酸化炭素になります。
逆に炭素と酸素が離れたときに、二酸化炭素は、炭素となり別の物質と結びついて、炭水化物などを構成する物質の一部となります。

炭素が酸素2つと手を結ぶと二酸化炭素になる
◆炭素が酸素と手を結ぶとき(C→CO2)
炭素Cは我々人間をはじめ、すべての生物に含まれています。その生物体が燃焼すると、二酸化炭素CO2になって大気中に放出されます。例えば、山火事のときには、木に含まれている炭素が、一気に酸素と手を結び二酸化炭素となり大気中に放出されます。 人間の火葬も同じです。
呼吸も燃焼です。体内の炭素を含む物質(炭水化物)が、炎が出ない程度に、ゆっくりと燃焼します。その結果、二酸化炭素が吐き出されるのです。
◆炭素が酸素と手を離すとき(CO2→C)

葉は光合成を行う化学工場
大気中の二酸化炭素が、酸素と炭素が離れるのは、植物が光合成を行うときです。つまり、太陽光と水を利用して、二酸化炭素から炭水化物(=炭素が水素などの物質と結びついたもの)をつくり、酸素は大気中に放出されるのです。
このように自らの体を構成する炭水化物を自ら作ることができるのは、植物だけで、人間などの動物は植物が作った炭水化物(有機物)を摂取することで、生きていけるのです。
◆カーボンニュートラルとは
光合成は、植物の葉で行われます。葉は炭水化物を作り出す、いわば「工場」の役割を担っています。植物は二酸化炭素を吸収して、酸素を吐き出すことを繰り返しながら成長します。
樹木の場合、その過程でできた炭水化物は幹をつくる細胞となります。そして、細胞に含まれる炭素は、その後数十年以上も固定されることになります。さらに木材になっても、ずっと固定されたままです。最後に燃料になり、燃やされたときに二酸化炭素となり、大気中に放出されます。

100年前の出来事
炭素にしてみれば、「100年前にナラの葉に吸収されてから、久しぶりに大気にもどってきたよ!」という感じかもしれません。
この炭素は、もともと大気に存在していた二酸化炭素が葉に吸収され、それが木の体をつくる細胞(炭水化物)となり、住宅や家具などをつくる木材となり、再び大気に戻ってきたことになります。そしてまた葉に吸収されて・・・の繰り返しで、大気中の炭素を増やすことも、減らすこともありません。この安定した炭素の循環を「カーボンニュートラル」と言います。
◆低炭素社会という言葉の由来
炭素がなければ、当然、二酸化炭素もつくられません。二酸化炭素は温室効果ガスのひとつで、大気中の二酸化炭素が過剰になると、温暖化をもたらします。それゆえ、次の3つの言葉は環境問題の中では、ほぼ同等です。
炭素を減らすこと=二酸化炭素を減らすこと=温暖化防止
そのため「低炭素社会」というキーワードが誕生したのです。
〔参考文献・出典〕
九州農政局「炭素くん」/IPA「教育用画像素材集サイト」
