木材の炭素固定量

 
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木材の炭素固定量

二酸化炭素を固定し続ける木材

草本植物は、1年から数年かけて成長し、果実(種子)がつくられると地上部は枯れてしまいます。草本植物が枯れると、微生物に分解されるなどして、成長の過程で光合成により大気中から吸収した二酸化炭素(CO2)は再び大気中に戻されます。

一方、樹木は何十年、年百年もかけて成長します。樹木は生きているうちは、光合成により大気中の二酸化炭素(CO2)を吸収して、成長(※1)するため、地球温暖化を防止する機能を持ちます。大気中から吸収された二酸化炭素は、炭素として取り込まれ、糖類となり生命としてのエネルギー源となったり、根や幹、枝葉を構成する基本的な物質となります。

樹木は大気中の二酸化炭素を取り込みながら成長する

樹木は大気中の二酸化炭素を取り込みながら成長する

さらに、樹木が伐採されて、木材・木製品になっても、炭素は固定されたままです。木材・木製品の中に含まれる炭素(C)は、光合成により大気中の二酸化炭素(CO2)を取り込んだことに由来しており、大気中の二酸化炭素を固定していることと同等になります。

木材・木製品に含まれる炭素(C)は燃やさない限り、固定されたままです。そのため、木材は「炭素の貯蔵庫」、「炭素の缶詰」などと言われます。つまり、身の回りに木製品が増えるほど、大気中の二酸化炭素(CO2)は減るということになります(※2)。ただし、木材を燃やした場合には、酸素と結びつき、二酸化炭素(CO2)となり大気中に放出されます。

※1:木々が(横に)太く成長することを「肥大成長」と言います。

※2:炭素(C)が木材の中に存在していれば、その炭素の数だけ大気中の二酸化炭素(CO2)が減っていることになります。


木材の重さの半分(50%)が炭素

木材の化学成分は、セルロース、ヘミセルロース、リグニンと呼ばれる物質です。これらの物質を原子レベルで見た場合、炭素(C)、酸素(O)、水素(H)からなっています。このうち、炭素(C)は大気中の二酸化炭素(CO2)を樹木が光合成によって取り込んだ結果、樹体を構成するようになったものです。

ところで原子レベルで見て、それらの原子(元素)の構成比等から、それぞれの重さを計算してみると、炭素(C)は樹種によらず全体の半分(50%)を占めていることがわかっています。そのため、木材の重さの重さがわかれば、その木材が固定している炭素(C)の重さがわかることになります。

※ただし、木材は空気中の水分を吸収したり、放出したりしながら平衝状態が保たれているため、実際の木材には水分が含まれています。そのため、身の回りの木材の重さを量った場合、「純粋な木材の重さ+水分の重さ」になります。結果として、その木材に含まれる炭素(C)の重さは、実際に量った木材の重さの半分よりも多少軽く(少なく)なります。

※日本では、平衝状態にある木材の含水率は15%程度です。木材の含水率とは、完全に乾燥させた木材の重さ(=木材から完全に水分を除いたときの重さ)に対する木材に含まれる水分の重さです。平衝状態に保たれているときの含水率を「平衡含水率」と言い、平衡状態に保たれている木材の状態を「気乾状態」と言います。


木造住宅が固定している炭素の量

ところで、一般的な木造住宅では、どのくらいの炭素を固定していることになるのでしょうか。

木造住宅を建築する際の木材は、日本農林規格で決められた木材を使うことが多く、その木材は重さではなく、サイズ(例:10.5cm×10.5cm×3mなど)で決められています。そのため、その材の重さを求めたいときには、体積×密度(容積密度)で計算します。容積密度は1m3当たりの重さのことで、例えば、杉の場合は314kgです。

日本の木造住宅の木材使用量は一戸あたり20m3~30m3が一般的です。そこで、25m3の木材を使用した住宅(※1)で、さらに杉材のみを用いていると仮定すると、炭素固定量は

25m3×314kg/m3÷2=3925kg

となり、一般的な木造住宅一戸あたり約4トンの炭素を固定していることになります(※2)。

二酸化炭素(CO2)に換算すると、

3925kg×(44/12)=14392kg

となり、一般的な木造住宅一戸で大気中の二酸化炭素(CO2)を約14トン固定している計算になります。

平均的な木造住宅では約14トンのCO2を固定し続ける

温暖化防止に貢献する木造住宅

つまり、解体して燃やさない限り、約14トンの温室効果ガスを固定し続けることになり、視点を変えれば、その木造住宅の施主さんは「環境貢献している」と言えるでしょう。

※1:日本木材・住宅技術センターの調査によると、木造軸組工法住宅の木材使用量は24.9m3という結果が公表されています。

※2:スギの容積密度(314kg/m3)ですが、ヒノキは407kg/m3、アカマツは451kg/m3、カラマツは404kg/m3となっており、スギは他の材と比べて小さくなっています。そのため実際の住宅建築では、スギ以外の材も使用されているため、上記の計算結果より大きくなることが推定されます。