木材は、石との並んで、人類が手にした最古の資材です。縄文時代の竪穴式住居から、現代の木造住宅にいたるまで、延々と使い続けられています。その加工技術も向上し、今では鋼材やコンクリートとなどと代替できるほど、強い素材となりました。
また、木材の空間は、健康的で快適な環境を創出し、ゆとりやうるいおいを感じさせてくれるため、教育施設や医療施設などで取り入れるケースが目立つようになりました。
■大館樹海ドーム(世界最大級のスギ集成材ドーム)
左の写真は秋田スギの集成材を使って建設された秋田県の大館樹海ドーム(平成9年完成)です。
集成材とはラミナと呼ばれる厚さ2.5〜4cm程度の板を強力な合成樹脂接着材で複数枚重ねて作る製材です。1枚1枚のラミナは十分に乾燥させるため、狂いが少なく強い木材となります。
■かりこぼうず大橋(宮崎県)
かつて木の橋は日本の各地で見られましたが、近代化の過程で次々と鋼材の橋やコンクリートの橋に置き換えられ姿を消していきました。ところが、最近全国的に木橋が復活しつつあります。宮崎県の西米良村では2003年に日本最大の木の車道橋『かりこぼうず大橋』が完成しました。集成材(宮崎県産スギ集成材1,300m3使用)の技術や防腐処理技術を使い、耐久性があり、設計も一般の橋と同じ手法で設計され、安全性も保証されています。木橋は景観を損なわず、環境にも優しいため、今後もさらに普及していくことと思います。
■木製ガードレール(長野県)
よく見るガードレールは白色の鉄製ですが、最近では木製のガードレールも登場しました。間伐材で作られ、衝突試験に合格したものが使われています。鉄製から木製に換えることにより日本の景観を回復することができますし、間伐材を積極的に使うことにより、森林整備を進め、環境保全にも役立ちます。
■木造校舎(高知県土佐市立波介小学校)
最近、全国で学校等の教育施設を木造にする例が増えています。木のぬくもりや、やさしさといった質感に加え、衝撃を吸収したり、室温や湿度を調整するなどの特性が教育の現場で再評価されているためです。
■医療施設(東京都小金井市 桜町病院)
シルバーハウスや医療施設等での環境づくりのために、木材を取り入れている例も増えています。木は不快な症状や痛みを和らげるといわれています。これまでの病院とは違う、あたたかみのある「家」のような空間を創出できます。
〔参考文献・出典〕
日本木材学会「木のびっくり話100」/林野庁「森林・林業白書平成15年度」/長野県ホームページ/財団法人日本木材総合情報センター・全国木材協同組合連合会「木が守る地球と暮らし」
|