木材の流通経路 伐採から消費者に届くまで

木は家になったり、机になったり、床(フローリング)や壁になったり、紙になったり…。森林で育った木は、収穫されて、いろいろなモノになって私たちの暮らしの中に生きているんだね。

木はもともと「育成林(人工林)」と呼ばれる森林で育てて、適齢期になったら収穫するんだ。収穫された木(丸太)は、まず加工しやすい木材となり、そこからさまざまなモノとなって私たちの生活の中に取り入れられているんだよ。

木材の流通経路

木材の流通経路は、複雑かつ様々な形態があります。ここでは住宅建設を例に、一般的な経路をご紹介します。


伐採・搬出、原木市場へ

まず、素材生産業者(伐出業者)が森林所有者(林業家)から立木を買って、木を伐採し、原木市場(丸太市場/原木市売市場)へ搬出します。大規模な林業家の場合は、自らが伐出(伐採・搬出)することもあります。また、人手不足や技術面などの理由で、間伐できない林家に代わり、森林組合により伐採されることもあります。

人の手で育てられたた育成林はいわば「木の畑」。収穫期なると、伐採されて利用され、若い苗木が植えられる


機械による森林伐採

高性能林業機械による伐採作業


原木市場とは

原木市場は「丸太市場」、「共販所」などと呼ばれることがありますが、正式名称は「原木市売市場」です。原木市場には「集荷・仕分け」、「公正な価格形成」、「与信の管理」などの機能があり、これに代わる他の流通機関はなく、国産材原木流通の中核を担っています。

素材生産業者から集荷した原木を、樹種や長さ、径級、品質、直材・曲がり材ごとに仕分けし、セリや入札により、製材工場や木材販売業者が買取ます。販売後は商品の保管と引渡し、決済などの業務を行い、手数料により運営しています。原木市場の多くは、原木の産地に近い所にあり、全国に400~500程度の事業所があります。


原木市場から製材工場へ

森林所有者から製材工場へのルートとしては、主に次の4つがあります。このうち、流通量の最も多いのは原木市場を経由する3のルートです。

  1. 森林所有者 → 製材工場
  2. 森林所有者 → 素材生産業者 → 製材工場
  3. 森林所有者 → 素材生産業者 → 原木市場 → 製材工場
  4. 森林所有者 → 木材販売業者 → 製材工場

3のルートでは、素材生産業者が伐り出した木(丸太)が原木市場まで運ばれます。運ばれてきた丸太は、セリ売りや入札販売で、製材業者に売られます。

原木市場の写真

原木市売市場

※近年は、一般材の取引が多くなり、原木市場で丸太を熟覧する必要性が少なくなってきました。このため、山土場(伐採現場の小規模な集積場)や中間土場(山土場から目的地までの距離が長い場合にその中間に設けられた集積場)から製材工場への直送も増えてきています。この直送ルート(土場→製材工場)は、全体の3割程度(2018年)。

※近年は製材工場の規模が拡大し、原木市場への依存度が高まりました。これに応えるべく原木市場では、集荷量を確保するため、自ら素材生産に乗り出すケースも見られるようになりました。


製材工場から製品市場、最後に工務店へ

製材工場では、柱や板の製材品に挽き、製品市場へ出します。その製材を木材卸売業者(材木問屋)が買い、さらに、ハウスメーカ、工務店などの建設業者が買って家づくりに使われます。

製材工場から建設業者へのルートとしては、主に次の3つがあります。

  1. 製材工場 → 製品市売市場 → 木材販売業者 → 建築業者
  2. 製材工場 → 木材販売業者 → 建築業者
  3. 製材工場 → 建築業者

※これらの他にも、近年では「製材工場→プレカット工場→建築業者」、「製材工場→集成材工場→建築業者」などの新しいルートが出てきました。

※製品市売市場は、製材工場や木材販売業者によって運び込まれた製品や市場自らが集荷した製品を、セリや入札により販売します。主に木材製品の消費地に近いところにあります。

製材工場の写真

製材工場


木材乾燥機の写真

木材乾燥機。木材を乾燥させると強度が増し、品質がよくなる。


梱包された製材品の写真

製材品は工務店・住宅メーカーへ


住宅建築の写真

施工中の住宅

なお、 日本の木材流通は複雑で何段階にも分かれているため、銘柄材(ブランド材)を以外は、流通の過程で木材の出自を見分けることは難しくなっています。


木材流通経路の図


木材流通経路の図

 


〔参考文献・出典〕
(財)日本木材総合情報センター「地球環境にやさしい木材の知識」/熊本県林政課「熊本の森林林業・森林を活かす」/日本林業技士会「新生産システムモデル地域の主な取り組み」/協同組合フォレスト西川「西川材」