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森林の地表には、落葉・落枝、倒木、動物の排泄物、死骸などさまざまなものが供給されます。これらがそのままたまっていったら、森は足の踏み場もなくなり、とても見苦しいものになってしまうことでしょう。ところがそうはなりません。なぜでしょうか?
森林の自家浄化(クリーン)システム
森林が美しい状態を保っている理由は、森林には自家浄化システムがあるからです。森林の土壌には小さな動物がたくさんいて落葉・落枝、倒木、動物の排泄物、死骸などを食べ、細かくしてくれます。さらに微生物(菌類・細菌類など)が腐らせて土にかえしてくれます。難しく言うと「有機物を分解して無機物に戻す」ということです。ここでは" 有機物=生物体を構成するもの"、"無機物=有機物をつくる原材料のようなもの"ととりあえず考えていただければ、わかりやすいと思います。冷蔵庫の中の物が腐るのは困りますが、自然界では腐るということが自家浄化システムの大切なはたらきなのです。
森林の動植物の活動の原動力は光合成
ところで、植物は太陽のエネルギーを利用して、無機物(水と二酸化炭素)から有機物(糖)をつくりだし、さらには根から地中の無機物(窒素などの養分元素)を取り入れ、複雑な蛋白質や脂質などの有機物を合成します。太陽エネルギーを直接利用できるのは、この植物と人間が発明した太陽光発電くらいですが、生物界では植物以外にありません。しかも、植物以外の動物は無機物から有機物をつくりだすことはできません。ゆえに、草食動物は植物を食べることによって、肉食動物は草食動物を食べることにより、自らの体を形成し、生活できるわけです。言い換えれば、間接的に太陽エネルギーを利用して生きているのです。そして排泄物や死骸は、土の中の小動物や微生物により有機物が無機物に還元され、再び光合成により無機物から有機物がつくられます。 このように、植物、動物、微生物を通して物質やエネルギーは循環しているのです。このしくみ全体を生態系といいます。
なお、生態系は扱う対象によって森林生態系、河川生態系、海洋生態系、砂漠生態系などに区分されます。
人間のリサイクル社会は・・・
人間社会では、たくさんのゴミが出て、社会問題になっていますが、自然界では要らないものは腐らせて、次の生産に全く無駄のない形で再利用(リサイクル)しています。これは自然のとても素晴らしいしくみだと思います。人間の社会でもリサイクルが普及してきていますが、自然界ほど完全なものではありません。自然界から学ぶべきことがまだまだたくさんありそうです。
〔参考文献・出典〕
社団法人全国森林レクリエーション協会「森林インストラクター養成講習テキスト<森林編>」の
森林生態系の模式図(Fujimori,2001)/啓林館 高等学校教科書「理科総合B」
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