温室効果とは

温室効果

温室効果とは、地球が太陽から受けたエネルギーを宇宙空間へ放射する過程で、大気中の二酸化炭素などの気体(温室効果ガス)が、エネルギー(赤外線)を吸収することにより、地球がほぼ一定の温度(約15℃)に保たれることをいいます。

地球は太陽から受けたエネルギー(光や熱)の一部を吸収し、地球内部や海洋、大気中などをめぐり、結局は、吸収したエネルギーと同じだけのエネルギーを宇宙空間に放射し、たえず温度のバランス(がとられています熱の収支はプラス・マイナスゼロ)。

地球が太陽から受けたエネルギーが宇宙空間に戻る過程では、大気中の二酸化炭素などの気体(温室効果ガス)は、熱エネルギーを直接に宇宙空間に戻さず、一時的に保持(吸収)するため、地球が温室のような温かな状態になります。これが温室効果です。温室効果のおかげで、私たちは温暖な環境で生活ができるのです。

しかし、環境問題の中では「温室効果」は悪者として扱われます。地球温暖化の原因は温室効果だからです。しかし、温室効果そのものが悪いわけではありません。あくまでも「過剰な」温室効果が地球温暖化をもたらしているのです。過剰な温室効果が起こっている原因は、産業革命以降の人類の生産活動(経済活動)による二酸化炭素などの排出です。

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地球が熔けない理由は

地球が誕生した46億年前から、地球は太陽から光と熱のエネルギーを受け、ずっと加熱され続けています。普通に考えればとっくに熔けてしまっているところです。

太陽から熱を受け続ける地球

地球は誕生してからずっと太陽から熱を受け続けている

しかし、地球が熔けない理由は、地球は太陽から受けた(太陽からもらった)エネルギーと同じだけのエネルギー量を宇宙空間に放射している(戻している)からです。

式で書くと

地球が太陽からもらうエネルギー=地球が宇宙空間へ戻すエネルギー

 

このが重要で、これが不等号( > や < )になってしまうと、時間とともに地球が熱くなって、いつか熔けてしまうか、または冷やされて、氷の惑星になってしまいます。

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温室効果のメカニズム

太陽から受けたエネルギー(光や熱など)のうち、3割程度は反射などで、すぐに宇宙空間に戻されますが、残りの約7割は、雲や大気、地表で吸収され、地球内部や地球表面で循環しながら、宇宙空間に戻っていきます。 このエネルギーが循環の担い手は、海洋や大気です。海洋ではエネルギーの循環が海流となって現れます。また、大気中では、地球規模の大気の循環(大循環)となって現れ、さまざまなの気象現象を起こします。

太陽から受けたエネルギーは、地球上を循環しながら、やがて宇宙空間に戻されます。これを地球放射といいます。地球放射の際、エネルギーを運ぶ役割を担っているのが赤外線です。しかし、地球放射の過程で大気が一部の赤外線を吸収します。エネルギーはスムーズに宇宙空間に戻れず、結果として地球が毛布で包まれたように温かくなります。言い換えれば、大気が宇宙空間に出ていこうとするエネルギーを大気が一時的に保持するのです。これを温室効果といいます。このため、私たちは温暖な環境で快適な生活ができるのです。私たち人類にとって、温室効果そのものは悪いはたらきではありません。過剰な温室効果が地球温暖化を進めてしまうのです。大気でエネルギーを保持するはたらきを担っているのが、おもに二酸化炭素で、温室効果ガス(※)とよばれています。温室効果ガスがないと地球の平均温度はマイナス18℃になるといわれています。

※温室効果ガスには、二酸化炭素の他、メタン、一酸化二窒素のほかHFC類、PFC類、SF6が挙げられています。

 

 


 

適度な温室効果により私たちに住みよい環境で生活できる

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地球温暖化をもたらす過剰な温室効果

現代は、人間の経済活動(生産活動)により、二酸化炭素をはじめ、地球大気中の温室効果ガスの濃度が、急速に高まりました。地球からエネルギーが宇宙空間へ戻る際、大気中の温室効果ガスの濃度が高いため、赤外線を過剰に吸収してしまうのです。その結果、過剰な温室効果が起こり「地球温暖化」をもたらしています。つまり、先ほどの式の等号=が不等号>になってしまっているのです。産業革命以降の人間の経済活動によって、大量に排出し続けている温室効果ガスの増大(主に二酸化炭素の濃度の増加)が原因です。

過剰な温室効果のイメージ図

 


人間の経済活動(生産活動)により大気中の温室効果ガスが増大

人間の経済活動(生産活動)により大気中の温室効果ガスが増大

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地球温暖化防止に向けた動き

大気中の温室効果ガスが増大し続けると、地球温暖化が進行し、地球環境が後戻りできない危機にさらされることになります。この状況を回避するために、1992年地球サミット(リオ・デ・ジャネイロ)で、温室効果ガスの濃度の増加に歯止めをかけるべく気候変動枠組条約が採択されました。1997年には、第3回締約国会議(COP3)が京都で開催され、京都議定書が採択されました。

日本は温室効果ガスを1990年比で6%削減することを約束し、2005年の京都議定書の発効とともに、日本国内では「チームマイナス6%」などの国民運動が始まりました。

京都議定書の第1約束期間(2008~2012年)では、中国やインドなど温室効果ガスの排出が急速に拡大している開発途上国には、削減目標が課せられなかったり、最大の排出国であるアメリカが離脱するなど、多くの課題が指摘されました。

2015年にパリで開催されたCOP21では、2020年以降のすべての国が参加する国際的な温暖化対策についての法的枠組みとして、「パリ協定」が採択され、2016年11月に発効しました。

ところで、上記の6%の削減量のうち3.8%(※)は森林による二酸化炭素(CO2)の吸収量で達成する計画となりました。この目標達成に向けて「木づかい運動」が展開され、現在も継続して行われています。

※京都議定書が発効された当初は3.9%でした。それが木づかい運動が始まった当初のロゴマーク「サンキューグリーンスタイルマーク」(右上)に象徴されています。なお、京都議定書の第一約束期間が終了後、木づかい運動のロゴマークは「木づかいサイクルマーク」として新しいデザイン(右)でとなっています。

地球温暖化って、社会科の教科書やテレビのニュースなどでよく聞くようになったよね。
地球温暖化は、地球の平均気温が上がり続けていく現象のことなんだ。その主な原因は、ここ100年位の間に、人間が生産活動を続けているうちに、地球の空気の中に「二酸化炭素」を増やしてしまったことなんだよ。
だから二酸化炭素のことを「温室効果ガス」っていうんだね。

ところで、木は太陽の光を受けながら、二酸化炭素を吸収して成長している。木をきって木材として利用している間も二酸化炭素は吸収されたままなんだ。だから、成長した木は、伐って、資源として使って、伐ったところに若い木を植えて、育てていくことは地球温暖化の防止に役立つんだよ。

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