木材調湿性と居住環境 空中浮遊菌

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木材の調湿性と居住環境

日本の気候は夏は高温多湿のジメジメ、冬はカラカラに乾燥します。そこで注目されるのが木の家や木の内装です。森林の木々は水分を多く含んでいますが、切り倒して大気中に置くと次第に乾燥して、含水率が15%程度になります。

そして、木材として、加工し、壁やフローロングなどの内装に使うと調湿性が発揮されます。つまり、室内の湿度が高くなりジメジメしてくると湿気を吸収し、反対に室内が乾燥してくると水分を放出してくれるのです。

人間の快適さ(体感温度)に影響する気候的な要素として、温度・風速・湿度があげられます。特に湿度による影響は大きく、温度と風速を適切に保っても湿度が高い環境では快適さは感じられません。快適で過ごしやすい居住環境を得るためには、住宅に湿度調整機能が備わっていることが必要です。

鉄筋コンクリート造と木造住宅の湿度の変化

次のグラフは屋外の湿度(百葉箱)に対して、ビニール内装(壁紙等を張った部屋)と合板内装(内装に木を使用して部屋)の湿度がどのように変化するかを調べた実験結果です。

住宅内の湿度変化のグラフ

合板内装の住宅で湿度がほぼ一定(約50%)に保たれていることがわかります。これは合板が湿気を吸収・放湿し、室内の湿度を一定にしていたからです。これが木材の調湿性です。このことから、構造材や内装材、家具などに木材が豊富に使用されていると、湿度の変動が緩和され、快適な居住環境をつくることができると考えられます。

適度な湿度は空中浮遊菌を減少させる

ハウスダストなど、生活空間でのほこりの中には、無数の菌が存在します。ある調査結果によると、一般的な住宅(26軒を調査)では、ほこり1グラム当たり4800の大腸菌、2700の黄色ブドウ状菌、2800のセレウス菌などが存在することがわかりました。

これらの菌は人や物が室内で移動する時、空中へ舞い上がって浮遊し「空中浮遊菌」と呼ばれるようになります。 これらの空中浮遊菌は、80%程度の高湿や20%程度の低湿(乾燥)の環境では長時間生存しますが、中間的な50%の湿度においては大半が死滅します。次のグラフはその様子を表しています。

空中浮遊菌の生き残る割合と湿度

このように生活空間での湿度は、菌類の繁殖に関係するため、人間の生理・病気とも深く関係します。そのため掃除だけでなく、室内をなるべく高湿度や低湿度させないとも健康を保つ上で大切です。

このページの最初のグラフ(住宅内の湿度変化)のように木の空間は湿度を50%程度に保ちます。ちょうど空中浮遊菌が急速に死滅する湿度です。内装に木を積極的に使えば、健康的な生活空間を創出することができるのです。

〔参考資料・出典〕
財団法人 日本木材総合情報センター「木材の基礎知識」「木と私たちの生活」/則元京 他 木材研究資料 No.11,1977



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