クスノキ〔樟・楠〕

クスノキ科クスノキ属

本州中南部から四国九州沖縄済州島台湾中国南部インドシナ分布

クスノキの葉をちぎるとツンとする樟脳の香りがしますクスノキは独特な芳香を持つことから「臭し(くすし)木」がその語源また、クスノキの葉や煙は防虫剤や鎮痛剤として用いられ「薬の木」を語源とする説もありますクスノキ材は防虫効能から家具や仏像などにも広く使われてきました

クスノキの巨樹
(熊本城公園)

葉の寿命は約1年。古い葉は赤く染まり落葉する

若葉は展開すると、橙黄色の葉がしだいに緑色になってゆく

花は黄緑色で花被は上部で6つにわかれる

葉は卵形。葉脈がつけ根近くから3本に分かれることが特徴

果実は秋に黒く熟す。直径8mmほど、表面には光沢がある

樹皮は暗灰褐色、短冊状に縦に裂け目が入るのが特徴

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葉脈の分かれ目に「ダニ部屋」がある!

ダニ部屋の写真

三行脈の分かれ目にダニ部屋があり、ダニが棲んでいる

クスノキの葉は葉脈がつけ根近くから3本に分かれる(三行脈)が特徴です。その分かれ目に「ダニ部屋」と呼ばれる1mmほどのふくらみがあり、そこにダニ(フシダニなど)が棲んでいます。 ムシやダニの仲間は樟脳のにおいは苦手なため、たいていは近づきません。そのため、クスノキの多い林の地面は分解が遅く、落葉の層が厚くなります。 なぜ、クスノキはダニに部屋を提供しているのか、なぜダニが近づけるのか、共生なのか寄生なのかもわかっていません。

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クスノキ(樟)の樟脳の香りで防虫効果

クスノキの材鑑の写真

クスノキ材の防虫効果を活かして、さまざまなものに使われる

クスノキ材の特徴は、強い樟脳の香りがあることです。この香りに防虫効果があるため、箪笥などの家具類に利用されてきています。 洋服箪笥などで、扉を開けると樟脳の芳香のすることがあります。これは内貼りにクスノキの板あるいは合板を貼って、防虫効果が期待しているためです。また、美術の展覧会などで、強い芳香に気が付くことがありますが、これはクスノキで作った作品が中にあるからです。 その他、器具、建築(社寺など)、楽器、箱、ひきもの、木魚などに使われます。

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巨樹ランキングトップ10のうち8本がクスノキ

自然環境保全基礎調査(緑の国勢調査) 「巨樹・巨木林調査」の結果から幹周のトップ10をまとめたものです。この10本のうち、8本はクスノキです。さらに、11位、12位ともにクスノキで、その後もクスノキが多く登場します。 巨樹ランキング1位の「蒲生の大楠」は、推定樹齢1500年、幹周が24mもあります。これらのクスノキは、国や市の天然記念物に指定されています。

順位 樹種名 名称 幹周
(m)
樹高
(m)
樹齢
(年)
1 クスノキ 蒲生の大楠(鹿児島県姶良郡) 24.2 30 1500
2 クスノキ 来宮神社の大クス(静岡県熱海市) 23.9 20 300
3 イチョウ 北金ヶ沢のイチョウ(青森県西津軽郡) 22.0 40 1000
4 クスノキ 本庄の大クス(福岡県築上郡) 21.0 23 1900
4 クスノキ 川古の大楠(佐賀県武雄市) 21.0 25 3000
6 カツラ 権現山の大カツラ(山形県最上郡) 20.0 40 300
6 クスノキ 衣掛の森(福岡県糟屋郡) 20.0 20 300
6 クスノキ 武雄の大楠(佐賀県武雄市) 20.0 30 300
6 クスノキ 藤崎台のクスノキ群(熊本県熊本市) 20.0 23 300
10 クスノキ 柞原八幡宮のクス(大分県大分市) 18.5 30 3000

※樹齢は、それぞれ記載年以上の樹齢で、伝承も含んでいます。

〔注〕
中国では「楠」はタブノキの仲間を指し、クスノキの仲間は「樟」。日本ではこれを厳密に区別せず、クスノキを「樟」または「楠」と書くこともあります。


〔参考文献・出典〕
環境省「自然環境保全基礎調査(緑の国勢調査)」/奥多摩町日原森林館 / 小学館「葉で見分ける樹木」(林将之著)/学習研究社「日本の樹木」/日本木材総合情報センター「木net」