ブナ〔掬〕 ぶな 白神山地

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ブナ ぶな

● ブナ科ブナ属
● 北海道南部の平地(黒松内低地線)から本州、四国、九州に分布

ブナはその雄大で美しい姿から森の女王と言われます。 ブナの林に風が通り抜けるとき「ブ〜ン」という音がすることから「ブーンと鳴る木」→「ブナの木」→「ブナ」がその名の由来です。一方、材としての利用が難しいことから役に立たない「ぶんなげる木」という不名誉な説もあります。

日本の自然の生態系を支えてきたブナ(写真)

ブナは雄大で美しい姿から
「森の女王」と言われる

 
ブナの葉は卵型またはややひし形 ブナの実は森の動物たちの大好物 ブナの樹皮

葉は波状になり、側脈は7〜11対。裏面は淡緑色

 

果実は10月頃熟して割れる。1.5cmほどの堅果が2つ

 

樹皮は灰白色で滑らか。地衣類がまだらにつく

森の女王・ブナ

ブナの森を歩くと、その床はふかふかしたやわらかいスポンジのようです。そのスポンジは雪や雨の水をたっぷりと抱えることができる「緑のダム(天然のダム)」です。さらに、この緑のダムの役割をしている土壌は、ろ過装置となって、透明・無垢な水を少しずつ湧き出し、森に恵みを与えてくれます。緑のダムは、鉄砲水や地すべりも防いでくれます。

ブナの果実(堅果)はたんぱく質や脂肪分が多く、カロリーが高く、リスやクマなど山の動物たちの大好物です。人が食べるのも炒ってビールのつまみとしておいしく食べられるとよいそうです。

ブナの森は豊かな生態系といのちを育む母なる森。そしてその雄大で美しい姿から森の女王と言われます。

ブナ材

近年の加工技術の進歩により、ブナ材は家具材やツキ板として使われるようになった

森の女王 受難の時代

しかし、ブナには受難の時代がありました。戦後、ブナは材として、狂いが大きく、腐りやすいため、役にたたない木として、大量に伐採されたのです。いわゆる「拡大造林」です。ブナの代わって、スギやヒノキなど建築用材として利用できる苗木が植えられました。拡大造林は全国規模で行われ、ブナ林は次々と人工林に置き換わりました。当時のことを「ブナ退治」などと表現する人もいるくらいで、ブナにとっては受難の時代でした。

白神山地のブナ林

白神山地のブナ林

現在、拡大造林の時代とは正反対にブナは大切にされる時代になりました。1993年、日本の白神山地のブナ林が世界自然遺産として登録されたのです。原生的なブナ林が、人の手が入らずに広い範囲にわたって残っており、ツキノワグマやニホンカモシカなどの大型哺乳類や84種の鳥類が生息して、豊かな生態系を保っていることが世界自然遺産に選ばれた理由です。世界遺産とは、人類が持つ宝物。世界の人々に日本のブナ林が知られることになったのです。

〔参考文献・出典〕
新建新聞社 「日本の原点シリーズ 木の文化」/学習研究社「日本の樹木」/日本木材総合情報センター「木net






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