杉 椙 スギ

●スギ科スギ属
●北海道の南部以南の日本全土に分布
富士は日本一の山。一方、木の中ではスギが日本一。富士は日本一高い山ですが、スギは日本一樹高が高くなる木で、大きいものでは50m以上にもなります。 しかもスギは日本一長寿の木。さらに、日本でいちばん多く植えられている木で、木材として最も使われている木です。
樹齢2500年〜3000年と
推定される縄文杉



スギの名の由来は真っ直ぐに高 く伸びる木「直ぐ木=すぐき」
スギの樹形は三角形(円錐形) 。 枝葉が玉状にモコモコつく
スギの樹皮は赤みを帯びた茶色で、縦によく裂けて剥がれる


雄花は小枝の先に多数つく。
花期は2月〜4月頃。
球果は2cmほどの球形で、
10月〜11月に熟す
スギ材は縄文時代より使われて おり、日本の文化を支えてきた
◆杉(スギ)は日本の固有種 1種1属の樹木
富士山は日本の山ですが、スギも日本だけの木(日本の固有種)です。学名の「クリプトメリアジャポニカ(Cryptomeria japonica)」を見てもわかるように「ジャポニカ(japonica)」は「日本の~」という意味のラテン語です。なお、 ヒマラヤスギ、レバノンスギなどのように「スギ」の名を持つ木がありますが、いずれも「マツ科」でスギとは縁が遠いものです。他にも、中国に広葉杉(コウヨウザン)というスギに似た木があります。この広葉杉は円錐形の樹形や樹皮は似ていますが、葉や球果も日本のスギのイメージとは違い、異国風の雰囲気を持っています。さらに属も違います。スギは1種1属の日本の樹木です。
◆スギは縄文時代より日本文化を支えてきた
スギは日本で最も多く植林された木で、北海道の南部以南の日本全土にスギ林が見られます。日本人の暮らしの中に杉は多く使われており、家(建築材)や家具、彫刻、工芸、用具(樽・桶)、船、下駄なども杉で作られているものが多くあります。遺跡の調査から、縄文時代早期より使われてきたことがわかっており、スギは日本の文化を支えてきた木と言えるでしょう。
◆スギが護ってきた正倉院の宝物
正倉院は、奈良時代に大陸各地からシルクロードを経由して集まってきた宝物が今も鮮やかな色と形を失わず残っています。その優れた保存機能は、ヒノキの部材で作られた校倉(あぜくら)によるものとされています。しかし、宝物本体は杉の箱(唐櫃:からびつ)に入れられて保存されてきました。杉には、調温作用、調湿作用をはじめ、オゾンや二酸化窒素など宝物を劣化させるような物質を吸着してしまう機能があることが、最近になってわかってきています。奈良時代には科学的な裏付けはなかったと思いますが、人々は経験によって木の性質を見極め、上手につき合ってきたのでしょう。
〔参考文献・出典〕
新建新聞社「木の文化」/学習研究社「日本の樹木」/日本木材総合情報センター「木net」/第60回正倉院展のポスター
