
● クスノキ科クスノキ属
● 本州中南部から四国、九州、沖縄、済州島、台湾、中国南部、インドシナに分布
クスノキの葉をちぎると、ツンとする樟脳の香り(匂い)がします。クスノキは独特な芳香を持つことから「臭し(くすし)木」がその語源と言われています。また、さまざまな薬効もあり「薬の木」を語源とする説もあります。古くからクスノキの葉や煙は防虫剤や鎮痛剤として用いられ、その防虫効能から家具や仏像などにも広く使われてきました。 |
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クスノキの巨樹
(熊本城公園) |
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三行脈の分かれ目にダニ部屋があり、ダニが棲んでいる |
クスノキの葉は葉脈がつけ根近くから3本に分かれる(三行脈)が特徴です。その分かれ目に「ダニ部屋」と呼ばれる1mmほどのふくらみがあり、そこにダニ(フシダニなど)が棲んでいます。
ムシやダニの仲間は樟脳のにおいは苦手なため、たいていは近づきません。そのため、クスノキの多い林の地面は分解が遅く、落葉の層が厚くなります。
なぜ、クスノキはダニに部屋を提供しているのか、なぜダニが近づけるのか、共生なのか寄生なのかもわかっていません。

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クスノキ材の防虫効果を活かして、さまざまなものに使われる |
クスノキ材の特徴は、強い樟脳の香りがあることです。この香りに防虫効果があるため、箪笥などの家具類に利用されてきています。
洋服箪笥などで、扉を開けると樟脳の芳香のすることがあります。これは内貼りにクスノキの板あるいは合板を貼って、防虫効果が期待しているためです。また、美術の展覧会などで、強い芳香に気が付くことがありますが、これはクスノキで作った作品が中にあるからです。
その他、器具、建築(社寺など)、楽器、箱、ひきもの、木魚などに使われます。

自然環境保全基礎調査(緑の国勢調査)
「巨樹・巨木林調査」の結果から幹周のトップ10をまとめたものです
。この11本のうち、7本はクスノキです。 ナンバーワンの鹿児島県蒲生町の「蒲生の大楠」は、推定樹齢1500年、幹周が24mもあり、国の特別天然記念物に指定されています。
| 順位 |
樹種名 |
単木名称 |
幹周cm |
県市郡町村 |
| 1 |
クスノキ |
蒲生の大楠 |
2422 |
鹿児島県姶良郡蒲生町 |
| 2 |
クスノキ |
阿豆佐和気神社の大クス |
2390 |
静岡県熱海市 |
| 3 |
ガジュマル |
世名城のガジュマル |
2350 |
沖縄県島尻郡東風平町 |
| 4 |
イチョウ |
北金ヶ沢のイチョウ |
2200 |
青森県西津軽郡深浦町 |
| 5 |
クスノキ |
本庄の大クス |
2100 |
福岡県築上郡築城町 |
| 5 |
クスノキ |
川古の大楠 |
2100 |
佐賀県武雄市 |
| 10 |
カツラ |
権現山の大カツラ |
2000 |
山形県最上郡最上町 |
| 10 |
クスノキ |
衣掛の森 |
2000 |
福岡県糟屋郡宇美町 |
| 10 |
クスノキ |
武雄の大楠 |
2000 |
佐賀県武雄市 |
| 10 |
クスノキ |
藤崎台のクスノキ群 |
2000 |
熊本県熊本市 |
| 10 |
ガジュマル |
中間ガジュマル |
2000 |
鹿児島県熊毛郡屋久町 |
〔参考文献・出典〕
環境省「自然環境保全基礎調査(緑の国勢調査)」/小学館「葉で見分ける樹木」(林将之著)/学習研究社「日本の樹木」/日本木材総合情報センター「木net」
〔注〕
中国では「楠」はタブノキの仲間を指し、クスノキの仲間は「樟」。日本ではこれを厳密に区別せず、クスノキを「樟」または「楠」と書くことも多い。 |