クスノキ〔樟・楠〕 くすのき 巨樹

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樟 楠 クスノキ くすのき ※但し、中国では楠=タブの木

● クスノキ科クスノキ属
● 本州中南部から四国、九州、沖縄、済州島、台湾、中国南部、インドシナに分布

クスノキの葉をちぎると、ツンとする樟脳の香り(匂い)がします。クスノキは独特な芳香を持つことから「臭し(くすし)木」がその語源と言われています。また、さまざまな薬効もあり「薬の木」を語源とする説もあります。古くからクスノキの葉や煙は防虫剤や鎮痛剤として用いられ、その防虫効能から家具や仏像などにも広く使われてきました。

クスノキ(樟・楠)くすのき

クスノキの巨樹
(熊本城公園)

 
樟(クスノキ)の若葉 寿命を全うした葉は赤く染まる 三行脈

若葉は展開すると、橙黄色の葉がしだいに緑色になってゆく

 

葉の寿命は約1年。古い葉は赤く染まり落葉する

 

葉は卵形。葉脈がつけ根近くから3本に分かれることが特徴

花 樟(クスノキ)の果実 クスノキ(樟)の樹皮

花は黄緑色で花被は上部で6つにわかれる

 

果実は秋に黒く熟す。直径8mmほど、表面には光沢がある

 

樹皮は暗灰褐色、短冊状に縦に裂け目が入るのが特徴

クスノキの葉脈(三行脈)の分かれ目にダニ部屋がある

ダニ部屋

三行脈の分かれ目にダニ部屋があり、ダニが棲んでいる

クスノキの葉は葉脈がつけ根近くから3本に分かれる(三行脈)が特徴です。その分かれ目に「ダニ部屋」と呼ばれる1mmほどのふくらみがあり、そこにダニ(フシダニなど)が棲んでいます。

ムシやダニの仲間は樟脳のにおいは苦手なため、たいていは近づきません。そのため、クスノキの多い林の地面は分解が遅く、落葉の層が厚くなります。

なぜ、クスノキはダニに部屋を提供しているのか、なぜダニが近づけるのか、共生なのか寄生なのかもわかっていません。

クスノキ(樟)の樟脳の香りで防虫効果

クスノキの材鑑

クスノキ材の防虫効果を活かして、さまざまなものに使われる

クスノキ材の特徴は、強い樟脳の香りがあることです。この香りに防虫効果があるため、箪笥などの家具類に利用されてきています。

洋服箪笥などで、扉を開けると樟脳の芳香のすることがあります。これは内貼りにクスノキの板あるいは合板を貼って、防虫効果が期待しているためです。また、美術の展覧会などで、強い芳香に気が付くことがありますが、これはクスノキで作った作品が中にあるからです。

その他、器具、建築(社寺など)、楽器、箱、ひきもの、木魚などに使われます。

巨樹ランキングトップテンのうち7本がクスノキ

自然環境保全基礎調査(緑の国勢調査) 「巨樹・巨木林調査」の結果から幹周のトップ10をまとめたものです 。この11本のうち、7本はクスノキです。 ナンバーワンの鹿児島県蒲生町の「蒲生の大楠」は、推定樹齢1500年、幹周が24mもあり、国の特別天然記念物に指定されています。

順位 樹種名 単木名称 幹周cm 県市郡町村
1 クスノキ 蒲生の大楠 2422 鹿児島県姶良郡蒲生町
2 クスノキ 阿豆佐和気神社の大クス 2390 静岡県熱海市
3 ガジュマル 世名城のガジュマル 2350 沖縄県島尻郡東風平町
4 イチョウ 北金ヶ沢のイチョウ 2200 青森県西津軽郡深浦町
5 クスノキ 本庄の大クス 2100 福岡県築上郡築城町
5 クスノキ 川古の大楠 2100 佐賀県武雄市
10 カツラ 権現山の大カツラ 2000 山形県最上郡最上町
10 クスノキ 衣掛の森 2000 福岡県糟屋郡宇美町
10 クスノキ 武雄の大楠 2000 佐賀県武雄市
10 クスノキ 藤崎台のクスノキ群 2000 熊本県熊本市
10 ガジュマル 中間ガジュマル 2000 鹿児島県熊毛郡屋久町


〔参考文献・出典〕
環境省「自然環境保全基礎調査(緑の国勢調査)」/小学館「葉で見分ける樹木」(林将之著)/学習研究社「日本の樹木」/日本木材総合情報センター「木net
〔注〕
中国では「楠」はタブノキの仲間を指し、クスノキの仲間は「樟」。日本ではこれを厳密に区別せず、クスノキを「樟」または「楠」と書くことも多い。






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