木材は省エネ資源 材料製造時の炭素放出量・消費エネルギー量

 
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木材は省エネ資源

モノを製造するためにはエネルギーが必要

私たちの周りには、キッチン用品、文具、家具、家電など、さまざまな日用品があります。これらは、鋼材、アルミニウム、鉄、プラスチック、ガラス、木材など、さまざまな素材からできています。それぞれの素材は、目的によって、適当な大きさや形に加工し、材料となり、製品になります。

例えば、木造住宅では、丸太から適当な大きさの柱・土台や板など(材料)に加工し、それらを組み立てて住宅(製品)ができます。

材料を製造するときには、エネルギーが必要です。例えば、工場のモータやコンピュータを動かすための「電気」や、スチームやボイラーの「熱源」がエネルギーです。電気は発電所で、天然ガスや石炭を燃焼させ、タービンを回し発電します。また、熱源を得るために工場で重油を燃焼させます。これらの化石燃料が燃焼するときに、二酸化炭素が放出され、環境に負荷をかけることになります。二酸化炭素は地球温暖化を引き起こす一大物質です。


材料製造時の炭素放出量

上記のように、何かを製造したり、何かを動かすときには、必ずエネルギーが必要です。エネルギーを消費すると、同時に二酸化炭素が放出されます。次のグラフは、それぞれの素材で材料を製造するときに、発生する二酸化炭素の放出量を炭素に換算して比較したものです。二酸化炭素の放出量の大小は材料製造時のエネルギー消費量の大小に相当します。

建築資材製造時の消費エネルギーのグラフ

鉄やアルミニウムなどの資材は、製造過程で大量の熱や電気を必要とするが、木材の加工に要するエネルギーはそれに比べて少ない。/データ出所:財団法人 日本木材総合情報センター「木質系資材等地球環境影響調査報告書」


木材はエコマテリアル

木材(木質)系の材料は他の材料の製造時と比べて、製造時のエネルギーが極端に少なくなっています。木材は加工しやすいからです。例えば、木材製造時(人工乾燥材)の炭素放出量は、鋼材の53分の1、アルミニウムの220分の1に過ぎません。このように木材は他の資材と比較して、製造時の消費エネルギーが少ないことから、エコロジーな材料(資材)、「エコマテリアル」と言われています。

※天然乾燥材、人工乾燥材 伐採直後の木材は、水分をたっぷり含んでおり、これを生材といいます。仮にたっぷりと水を含んだ生材を使って、家具を製造したり、家を建てた場合、木材の乾燥とともに収縮し、寸法が狂いはじめ、不具合が起こるようになります。乾燥材はこれらの欠点を改善するために、あらかじめ乾燥させた木材です。乾燥方法の違いにより、天然乾燥材と人工乾燥材があります。

※パーティクルボード 木造建築などで余った切れ端や解体材など、利用用途があまりない木材を細かく切り砕いた小片(チップ材)を接着し板状に加工したもの。

※上記のデータは材料の製造時のみに着目していますが、環境問題等を考えるときには、材料から商品への製造プロセスや運搬、リサイクル、廃棄等の各段階における消費エネルギーを算出、定量化するなど、ライフサイクル全体(広い視野)で考慮すべき場合もあります。例えば、木材を山で伐採し、木材1トンを生産するためには、輸送に必要なエネルギーなども含めると、約30kgの化石燃料を消費していると言われています。


環境負荷も考慮した製品を…

同じ重量のスチール机と木製机をつくった場合、スチールでは約10倍~20倍のエネルギーが必要とされます。つまり、机をつくるときには、木材の使い方で10倍~20倍の省エネ効果が得られることになります。

他の例として、宮崎県の「木の花ドーム」があります。「木の花ドーム」は飫肥杉でつくられた木製ドームです。最長112m、短いほうで103m、高さが38mあります。ドームの建設で梁に使った木材は約2000m3。これと同等のものを鉄骨で建設した場合は、2倍程度のエネルギーが必要と言われています。

日常生活で使うまな板やお皿から住宅、公共建築物まで、私たちの身の回りにはさまざまな素材を使った製品があります。その素材として、木材のものを購入するのか、その他の素材のものを選択購入するのかは、個人の好みや性能、価格などによって決めてきました。しかし現在は、好みや性能、価格に加え、環境問題や資源問題の観点も視野に入れて選択すべき時代になっていると言えるでしょう。


〔参考文献・出典〕
公開フォーラムin九州「認証住宅の拡大、普及を起爆剤に」東京大学名誉教授 有馬孝禮氏による基調講演/財団法人 日本木材総合情報センター・全国木材協同組合連合会「木が守る地球と暮らし」/財団法人日本木材総合情報センター「地球環境を守る木材と暮らし」