育成林 いくせいりん
苗木から育てる木の畑
育成林とは、人の手で計画的に育てられる森林、つまり人工林のことを指します。特に、木材やその他の森林資源を効率的に生産することを目的として、苗木から育てられる森林であり、「木の畑」とも言える存在です。

育成林|苗木から育てる木の畑
日本の育成林
日本では、戦後の復興を支えるために大規模な植林が行われ、現在では約1,000万ヘクタールもの育成林が全国に広がっています。これらの森林は、伐採して終わりではなく、計画的に手入れを行いながら、木材資源を循環させていくための重要な基盤となっています。
育成林の特徴と管理
育成林は、森林経営計画に基づいて長期的かつ持続的に管理されます。この計画には、植林する樹種や本数、間伐のタイミング、最終的な伐採の時期と方法などが詳しく盛り込まれています。定期的な間伐(混み合った木を間引くこと)によって、光や空気が入りやすくなり、残された木が健康に育つ環境を整えるのです。
また、伐採されたあとは新たな苗木を植えて次の世代の森林を育てる「再造林」が基本とされています。このサイクルを繰り返すことで、森林資源を枯渇させることなく活用することができます。
育成林の主な種類
育成林には、植える木の種類や目的によっていくつかの分類があります。以下は代表的なものです。
- スギ林・ヒノキ林:日本の育成林の多くを占める代表的な針葉樹林で、建築材や家具材として広く使われています。
- カラマツ林・トドマツ林:寒冷地に適しており、北海道や東北地方でよく見られます。
- 広葉樹育成林:コナラやクリなど、広葉樹を中心とした育成林もあり、薪炭材や家具材などに利用されます。
育成林が果たす役割
育成林は、木材の供給源であるだけでなく、さまざまな環境機能も担っています。例えば、
- 水源の涵養(かんよう)や土壌の流出防止
- CO₂の吸収による地球温暖化の緩和
- 野生動物や植物の生息地の保全
- 地滑りや土砂災害の防止
このように育成林は、人々の暮らしを守る「緑のインフラ」として、重要な役割を果たしています。
持続可能な育成林のために
育成林を健全に保ち、未来の世代に引き継いでいくためには、適切な森林管理とともに、木材の利用促進や森林に対する理解を深めることが欠かせません。
育成林を活用した国産材の利用や、地域の林業支援など、私たち一人ひとりが森林に関心を持つことが、持続可能な未来をつくる第一歩となります。