主伐 しゅばつ
持続可能な森林づくりの重要なステップ
主伐とは、森林に生育する成熟した木(成木)を一斉に伐採する作業のことを指します。これは、利用期に達した樹木を全面的に伐採して収穫するもので、木材生産の最終段階にあたります。
主に木材生産を目的として計画的に植えられた人工林が対象となり、伐採後には植林や天然更新などの「更新」作業を行うことで、次世代の森林が育成されるという特徴があります。
間伐のように森林を残す部分的な伐採とは異なり、主伐は森林の一画をほぼすべて伐ることになりますが、その後の再造林によって森林資源の循環利用が可能となり、持続可能な森林経営につながる重要なステップです。
主伐の目的と意義
主伐の目的は、大きく分けて「木材の収穫」と「森林の更新」にあります。
森林に植えられた木々は、数十年という長い年月をかけて成長し、やがて伐採に適した「利用期」を迎えます。主伐では、この成熟した木をまとめて伐採し、良質な木材を安定的に供給することが第一の目的です。木材は建築資材や家具、紙製品など、私たちの生活に欠かせない資源です。
しかし、主伐は単なる収穫にとどまりません。伐採後には苗木を植える、あるいは自然の力で次の世代の木が育つように促すことで、森林を新たに育て直す「更新」が行われます。これにより、森林を絶やすことなく、持続可能に資源を利用するサイクルが保たれるのです。
また、計画的な主伐と更新を繰り返すことで、森林の健全な成長を支え、生物多様性の確保や土砂災害の防止、水源の保全といった森林の公益的機能を次の世代へと引き継ぐことにもつながります。
このように、主伐は単なる「木を切る作業」ではなく、森を未来へつなぐ重要なステップとしての意義を持っています。
