桜の樺細工 さくらのかばざいく

世界に誇る樹皮工芸

樺細工(かばざいく)とは、ヤマザクラの樹皮を素材として作られる伝統工芸品で、独特の光沢と深みのある飴色の美しさが特徴です。日本国内でも特に秋田県・角館地方を中心に発展してきた技術で、その精緻な技と美しさから、「世界に類を見ない樹皮芸術」と称されることもあります。

桜の樺細工 世界に誇る樹皮工芸の写真

桜の樺細工

樺細工に使われる桜の樹皮は、熟練の技で丁寧に剥ぎ取られ、時間をかけて乾燥・磨き・貼り合わせの工程を経て、茶筒や小箱、文箱、名刺入れ、菓子器など、さまざまな日用品や工芸品に生まれ変わります。使い込むほどに艶が増し、手になじむ経年変化も魅力の一つです。

その歴史は古く、正倉院に収蔵されている宝物の中にも、桜の樹皮を用いた工芸品が確認されていることから、奈良時代にはすでにこうした技法が存在していたと考えられています。

美しさと機能性を兼ね備えた桜の樺細工は、日本の自然と職人技の結晶とも言える工芸品です。現代においても多くの愛好家に支持され、贈答品やインテリアとしても高い評価を得ています。

🌸 サクラの木の皮でできた美しい工芸品「樺細工」

みんなは、「木の皮(かわ)」が使われた工芸品があるって知ってるかな? 日本には、「樺細工(かばざいく)」という伝統的なものづくりがあって、なんとサクラの木の皮を使って、いろいろな道具を作っているんだよ。

樺細工に使われるのは、山に生えているヤマザクラという種類の木の皮。皮といっても、特別な技術でうすくはがして、ピカピカにみがくと、あめ色に光るツヤが出て、とってもきれいなんだ。

作られるものは、お茶を入れる茶筒(ちゃづつ)や、小物を入れる小箱(こばこ)文房具のケースなど。見た目が美しいだけじゃなくて、中の湿気(しっけ)を防いだり、長く使えるというすごい力もあるんだよ。

実はこの技術、とっても昔からあって、奈良時代の「正倉院(しょうそういん)」という宝物をしまっている場所にも、サクラの皮を使った工芸品が残っているんだって!つまり、日本の歴史とともに大切にされてきた伝統なんだね。

サクラの花もきれいだけど、木の皮にもすごいチカラがあるんだなあ。自然の恵みと、職人さんの手わざがつくり出す「樺細工」は、日本が世界に自信をもって伝えられるすてきな文化のひとつなんだよ。

森林・林業学習館 for きっず

このページのトップへ