エルニーニョ現象 ラニーニャとの違いや影響など
地球規模で影響を及ぼす海と大気の変動現象
エルニーニョ現象(えるにーにょげんしょう)は、熱帯太平洋の中部から東部(特にペルー沖)にかけて海面水温が平年より1~2℃高くなる現象です。その状態が半年から1年ほど続くと、世界各地に異常気象を引き起こすことがあります。
この名称は、南米ペルーの漁師たちがクリスマスの頃に海水温が高くなり魚が獲れなくなる現象を、「エル・ニーニョ(El Niño/スペイン語で“神の子”=イエス・キリスト)」と呼んでいたことに由来します。

エルニーニョは農業に長期的な影響を与え、干ばつによる被害も発生します
地球規模の気候に影響する「テレコネクション」
エルニーニョは単なる水温変化ではなく、地球全体の大気の流れにも影響する「テレコネクション(遠隔相関)」を引き起こします。これにより、離れた地域でさまざまな異常気象が発生します。
主な影響例
- 南米沿岸:暖かい海水により魚が激減(漁業に打撃)
- 東南アジア・オーストラリア:干ばつ、高温
- 北アメリカ:降水パターンや気温の大きな変化
- アフリカ:地域により洪水や干ばつ
- 日本:冷夏、暖冬、梅雨明けの遅れ、台風の発生数が減る傾向
日本におけるエルニーニョの影響
日本もエルニーニョ現象の影響を受けやすい地域の一つで、次のような傾向があります。
- 冷夏:気温が平年より低くなることで農作物に影響
- 暖冬:雪不足による水資源やレジャーへの影響
- 梅雨明けの遅れ:長引く雨による災害のリスク
- 台風の減少:日本付近での発達条件が揃いにくくなる
エルニーニョと地球温暖化の関係
エルニーニョはもともと自然に周期的に発生する現象ですが、近年の研究では地球温暖化がその発生パターンに影響を与えている可能性が指摘されています。
具体的な関係例:
- 強いエルニーニョ(スーパーエルニーニョ)の頻度増加
- 中部太平洋型エルニーニョ(モドキ型)の増加傾向
- エルニーニョ発生時に世界の平均気温が一時的に上昇する
とくに2015年や1997年のエルニーニョは非常に強力で、観測史上最も暑い年の一因ともなりました。
ラニーニャ現象とは
~エルニーニョの「反対」現象~
ラニーニャ現象(La Niña)は、エルニーニョとは逆に、東部太平洋の海面水温が平年よりも低くなる現象です。やはり半年から1年以上続くこともあり、世界の気候に大きな影響を与えます。
この名前もスペイン語で「女の子」という意味で、エル・ニーニョ(男の子)と対になる名称です。
ラニーニャによる影響
- オーストラリア・東南アジア:大雨や洪水が増加
- 南米(ペルー・チリ沿岸):冷たい海水で漁業資源が豊富に
- 北アメリカ:寒波や大雪が発生しやすくなる
- 日本:猛暑の夏や厳しい寒冬が起こりやすい
エルニーニョとラニーニャの比較表
項目 | エルニーニョ現象 | ラニーニャ現象 |
---|---|---|
海面水温 | 高くなる(+1〜2℃) | 低くなる(−1℃程度) |
発生場所 | 熱帯太平洋中部〜東部 | 同上 |
日本の夏 | 冷夏傾向 | 猛暑傾向 |
日本の冬 | 暖冬傾向 | 寒冬傾向 |
台風の傾向 | 発生数がやや少ない | 日本への接近が多くなる傾向 |
エルニーニョ現象は、海と大気の相互作用が地球全体に影響を及ぼす複雑な自然現象であり、その変化は私たちの生活にも直接関わってきます。
ラニーニャ現象も含め、これらの変動を理解することは、異常気象への備えや農業・漁業への対応策にもつながる重要な知識です。
また、地球温暖化との相互関係も含め、今後さらに注目すべき気候変動のキーワードといえるでしょう。