気乾比重 きかんひじゅう

含水率が15%程度になったときの木材の比重(全乾比重は含水率0%のときの比重)
比重とは水1cm3=1g と比較したときの重さのこと。つまり比重が1より小さければ水に浮かび、1より大きければ沈みます。
木材の比重は一般に針葉樹は0.3から0.5、広葉樹は0.5から0.7程度です。最も軽いバルサ材が0.27、最も重いとされるリグナムバイタ材が1.28と言われています。

比重とは?

比重とは、ある物質の密度を基準となる水の密度(1cm3あたり1g)と比較した値です。つまり、

  • 比重が1より小さい → 水に浮かぶ
  • 比重が1より大きい → 水に沈む

木材は多くの場合、比重が1未満なので水に浮かびますが、種類によっては1を超える重い木もあります。

気乾比重と全乾比重の違い

木材には状態によって異なる比重があります。

  • 全乾比重(ぜんかんひじゅう):含水率0%の完全に乾燥した状態での比重。
  • 気乾比重(きかんひじゅう):含水率約15%の、自然乾燥状態での比重。

建築や木材工学の分野では、実際に使用される環境に近い気乾比重がよく使われます。

木材の比重の例

以下に代表的な木材の気乾比重の目安を示します。

木材名分類気乾比重の目安
スギ針葉樹約0.38
ヒノキ針葉樹約0.41
ナラ広葉樹約0.68
ケヤキ広葉樹約0.70
バルサ広葉樹(極軽)約0.15~0.27
リグナムバイタ広葉樹(極重)約1.20~1.30

※バルサは世界で最も軽い木材の一つ、リグナムバイタ(グアイアカム)は最も重い木材として知られています。

用途と重要性

気乾比重は、木材の強度・耐久性・用途適性を判断する上での重要な指標です。一般に、

  • 比重が高い木材硬くて丈夫(家具や構造材向き)
  • 比重が低い木材軽くて加工しやすい(模型や内装材向き)

関連用語

  • 含水率:木材中の水分の割合。加工性や寸法安定性に影響します。
  • 気乾状態:木材が空気中で自然乾燥し、周囲の湿度と釣り合った状態。
  • 密度:単位体積あたりの質量(g/cm3)。比重とは数値的に同じですが、基準が異なります。

木材の「気乾比重」は、木材の性質や用途を判断するうえで欠かせない基本的な指標です。針葉樹と広葉樹で大きく異なり、同じ樹種でも育成条件や部位によってばらつきが出ます。木材選びの際には、見た目や価格だけでなく、気乾比重にも注目することが、適切な素材選びの第一歩となります。


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